日本学術会議 トップページ > 代表派遣 > 代表派遣結果等
 
代表派遣会議出席報告
1 会議概要
1)名 称 (和文) 第17回国際自動制御連盟世界会議(IFAC 2008)
      (英文) The 17th IFAC World Congress (IFAC 2008)
2)会 期 2008年7月6日?11日(6日間)
3)会議出席者名 慶應義塾大学理工学部教授 佐野 昭
4)会議開催地 韓国・ソウル市
5)参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者) 65か国から約2800人が参加した。日本からは288人(事前登録者数)が参加し,主催国の韓国に次いで2番目であった。
6)会議内容
・日程及び会議の主な議題

 7月6日(日)に開会式とレセプション,7月7日(月)から11日(金)までがIFAC世界会議における学術発表,11日夕方に閉会式と送別レセプションが開催された。 7月7日の午後には,IFAC総会が開催され,佐野(慶大)と木村氏(理研,IFAC理事)が出席した。7月6日と12日に開催されたCouncil Meetingには木村IFAC理事が出席された。
・会議における審議内容・成果
 IFAC総会においては,(1)アイルランド,ヴェネズエラの加盟申請とバーレーン,エジプト,ラトビアの脱退申請の承認,(2) Kwon会長のIFAC全体活動報告, Technical Board(TB)委員長の活動報告,Executive Board(RB)委員長の活動報告と各承認,(3) 出版活動を新たに展開するためのIFAC 定款33条d項の改訂の承認,(4) 次期(2008?2011)の役員人事の承認, (5) 次期IFAC会長のA. Isidori氏(イタリア)によるIFAC2011世界会議の概要説明などが主な審議事項である。この結果,木村英紀氏(理研)がCouncil,片山徹氏(同志社大)がTB副委員長, 原辰次氏(東大)がEB内の政策委員会委員,池田雅夫氏(阪大)が表彰委員会委員,橋本秀紀氏(東大),野口伸氏(北大),浅野一哉氏(JFE)の3氏がTC委員長にそれぞれ就任することが承認された。
・会議において日本が果たした役割
 次期の3年間のIFAC本部の各委員会の要職に日本から上記の各氏が就き,IFACの発展に向けた活動することとなった。またIFAC世界会議については,日本からIPC副委員長として原辰次氏 (東大)が協力し,採択論文数では3位,参加者数では2位に入るなど世界会議の成功に大きく貢献した。
2 会議の模様
 IFAC総会において,IFAC活動状況が詳細なAgendaに沿って説明された。IFACの自動制御学に関する学術技術の発展をリードするTBが統括する40の技術委員会(TC)の過去3年間にわたる活動状況, Webを利用したOn-line型の出版事業への新たな展開,各国の分担金および寄附金などによる収入状況と支出状況など健全な財政状況についても併せて担当の各委員長から報告がなされた。また, アジア諸国などからの新加入を推進する方針が説明され,今回,オブザーバとして,インド,マレーシア,パキスタン,タイ,サウジアラビア,チュニジアが総会にも参加していた。近い将来の正式な加入申請が期待される。
 一方,世界会議における発表論文数は,口頭発表,ポスター,パネル討論など合わせて約2700編,基調講演は9件とこれまでの最大規模であった。発表内容の状況は,制御理論分野が45%, 制御技術分野(情報技術やメカトロ技術)が22%,応用分野(製造・物流,電力・鉄鋼・化学プロセス,自動車・運輸・宇宙,社会経済システム,環境システム,農業,医学,など) は広範囲にわたっており33%であった。今回は産業界からの投稿を推進したこともありこの他にも産業界からの特別セッションが組まれていたことも大きな特徴であった。制御理論では, 広範囲な対象のモデリング,非線形系の制御系設計,通信ネットワークにおける制御問題などに新しい展開が見られた。

 次回開催予定:Council Meeting (理事会):2009年6月26日頃 イギリス・ロンドン市
          世界会議:2011年8月28日?9月2日(6日間) イタリア・ミラノ市


このページのトップへ
日本学術会議 Science Council of Japan

〒106-8555 東京都港区六本木7-22-34 電話番号 03-3403-3793(代表) © Science Council of Japan