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代表派遣会議出席報告
1 会議概要
1)名 称 (和文)地球圏―生物圏国際共同研究計画プログラム会議
      (英文)4th IGBP Congress – Sustainable Livelihoods in a Changing Earth System
2)会 期 平成20年5月5日~9日(5日間)
3)会議出席者名 東京大学先端科学技術研究センター教授 近藤 豊
4)会議開催地 南アフリカ共和国 ケープタウン市
5)参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者) 65の国から約380名が参加した。日本からの参加者は 9名であった。
6)会議内容
 IGBP Congressは2008年5月5日~9日に開催された。会議の主な議題は、地球環境変動の科学の研究成果と知見を共有し、2008-2013年の期間のIGBPの科学の課題を検討することにあった。
 南アフリカ共和国はIGBPの研究とネットワーク構築を強化するには大変好都合の場所であった。市民社会と政策分野に直結する多くの問題点が取り上げられた。 このことは、緩和、革新、適応によって持続可能な方策を見出すためにIGBPがより多くの貢献が出来る領域を考える重要な機会であった。
 日本からの参加者の多くは、各種委員会のSSCに参加し、今後のIGBPの方向性を議論し、IGBPが新たな方向を進む上で大きな貢献をした。
 最終日に環境の持続可能性のための科学に関するケープタウン宣言が採択された。またCongressは「地球システム科学のアフリカネットワーク(AfricaNESS)」 に科学計画と実施の戦略を提出するよう求めた。ここでは、食料と国の安全保障、水資源、健康、エコシステムの保全が中心課題である。

2.会議の模様
 IGBP Congressは異なったタイプの会議が並行して行われるという形で進んだ。IGBPコアプロジェクトのSSC委員会が2日間行われた。52カ国の国内委員会(NC)の会議が並行して行われた。 基調講演で始まったアフリカシンポジウム(1日間)、また各コアプロジェクトの21のワーキンググループのセッション(口頭研究発表、ポスター発表)が行われた。今回アフリカで開催されたこともあり、 アフリカの持続的発展の方策が大きな議論や発表のテーマになった。
 IGBPの将来の方向に対する重点目標をレビューし勧告するというアドバザリーパネルの報告も行われた。具体的にはIGBPとして、今後どのような方向で活動を展開していくかということが大きな議論になった。 IGBPとして、基礎的な地球圏・生物圏の現状分析、プロセス研究が高度な専門性をもって行われてきた。今後は、各研究分野間の融合的研究により統合化された地球環境の理解を進展させると共に地球環境問題の解決に有効な知見を提供できるような応用に力点を置いた研究課題も推進することが議長より示された。
 IGBPがカバーする領域は拡大を続けてきた。また、この会議でも、多くの研究実施提案がなされた。その一方で、このような活動を支持する基盤が弱体であり、焦点を絞った計画を立案すべきであるという批判もなされた。

 次回開催予定  未定

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