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代表派遣会議出席報告
1 会議概要
1)名 称 (和文)ウブントゥRCE審査委員会
      (英文)Ubuntu Committee of Peers for the RCEs
2)会 期 2007年8月6日(1日間)
3)会議出席者名 春日 文子  
4)会議開催地 ペナン(Penang, Malaysia)University of Science Malaysia   
5)参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)参加機関5機関、参加者数計15 名(日本人参加者4名、含.事務局)
            
6)会議内容
・日程、議題 8月6日(月)
  
・Opening remarks
・Brief report on the progress of RCEs
・Ways to further promote RCE activities
・Review of RCE applications (Africa, Asia, Middle East and American continents: 10 applications)
・Review of RCE applications (Europe, American continents)
・Concluding session                     
・審議内容・成果等
・アジア学術会議がウブントゥ宣言への署名機関として参加しているウブントゥ連合の下に設置された委員会であり、地域の拠点(RCE)づくりを認定支援するための審議を行うための第2回会議である。委員は9名のみ(今回参加は代理を含め5名)であり、集中して効率のよい審議が行われた。報告者は委員である黒川清前日本学術会議会長の代理として出席したものである。
・第1回ウブントゥRCE審査委員会後の状況報告、今後のRCE活動の支援に関する討議、新規RCE審査認定などが行われた。  
2 会議における審議内容
 2002年のヨハネスブルグ・サミットの際、持続可能な社会に向けた人づくりには科学者・研究者と教育者のより密接な連携が重要との考えから、ウブントゥ宣言が採択された。この宣言に署名した世界の11の科学技術・高等研究機関により構成されたのがウブントゥ連合Ubuntu Allianceであり、アジア学術会議はその構成機関の一つである。ウブントゥ連合は、世界各地の地域の特性を生かした学官民共同参画による"地域の拠点(Regional Centres of Expertise: RCE)づくり"を推進しており、新たに申請されたRCEを認定するために、2006年、ウUbuntu Committee of Peers for the RCEsブントゥ連合の構成機関から選ばれた9名の委員により構成されるウブントゥRCE審査委員会が設置された。2006年12月にパリで開かれた第1回ウブントゥRCE審査委員会では、23のRCE候補について新規RCEとして認定するよう勧告がなされ、委員会の助言をもとに計画の修正等を行うなどの条件も含めうち22件がこれまでに認定されている。日本では第一次のRCEとして広域仙台、横浜、岡山が活動しており、2006年の審査により北九州が認定された。今回は新たな16件の審査を行うために委員会が召集された。アジア学術会議からは黒川清前日本学術会議会長が委員に任命されているが、今回、国際委員会アジア学術会議分科会においてウブントゥ連合を担当している春日が、前回に引き続き黒川委員の代理として、当委員会に出席したものである。
Opening 
・国連大学学長であるProf. Hans van Ginkelが議長として開会を宣言し、参加者と開催機関のマレーシア科学大学に謝辞を述べた。
・マレーシア科学大学のY. Bhg. Prof. Dato's Dzulkifli Abdul Razakが歓迎の挨拶をした。
Brief report on the progress of RCEs 
・事務局(国連大学高等研究所)の名執上席研究員より、第1回ウブントゥRCE審査委員会後の状況として、認定されたRCEsが活動を開始したことなどの説明があった。
Ways to further promote RCE activities 
・事務局の鈴木上席研究員からの報告を踏まえ、RCE同士のネットワークの構築、年次報告書、その他について議論を行った。ネットワークについては国連大学高等研究所事務局が共有ウェブサイトの構築を進めていること、年次報告書には共通の書式を準備すべきであること、小さな国(申請例、アイルランド)については一国一RCEも認められるが、原則的には地域の大きさに制限があることが望ましいこと、などが合意された。
Review of RCE applications  
・16件の新規RCE審査を行い、うち13件を無条件あるいは助言つきで認定し、3件については地域内の計画が未整備であること等の理由から、引き続き事務局が助言支援を行うこととした。
・日本から新規申請された中部、兵庫‐神戸の2件は、充実した計画内容であり、無条件で認定された。
Conclusions
 
・議長が審議結果を総括した後、閉会し、さらに翌日のRCE国際会議に関する案内があった。
3 追記  
開催機関であるマレーシア科学大学の名誉教授であるY. Bhg. Dato's Abdul Razak Abdul Hamidは、昭和20年8月6日、当時数学を学ぶために留学していた広島市内で被爆された(爆心地より1.5km)。このことの縁により、今年、広島市からマレーシア科学大学に"Hiroshima Peace Stone"が寄贈され、Hiroshima Peace Stone本会議開会前の9:00より大学内のMuseum & Galleryにおいて、寄贈のセレモニーが行われ、会議出席者全員が招待された。子息でありウブントゥRCE審査委員会の開会挨拶をされたY. Bhg. Prof. Dato's Dzulkifli Abdul RazakとMr. Datuk Ronald McCoyが原爆の悲惨さと平和への祈念について講演をされ、Y. Bhg. Dato's Abdul Razak Abdul Hamidご自身も当時の状況について話をされた。マレーシアにおいて、62年前に日本で起きた悲劇が語られ、被災した日本人についても哀悼の意が表されたことには出席した日本人として感銘を受けたことを追記する。





 Handing over the "Hiroshima Peace Stone"


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