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代表派遣会議出席報告
 
1 会議概要
1)名 称 (和文)第28回電離気体現象国際会議および国際純正・応用物理学連合(IUPAP)C16委員会
      (英文)28th International Conference of Phenomena In Ionized Gases and IUPAP C16-Board Meeting
2)会 期 2007年7月16日~20日(5日間)
3)会議出席者名 犬竹正明(学術会議会員伊藤早苗教授の代理として、国際会議の期間内に開催された国際純正・応用物理学連合(IUPAP) C16委員会にも出席)  
4)会議開催地 チェコ共和国プラハ市   
5)参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者) 50カ国,637名,日本人参加者97名 佐藤徳芳(東北大学名誉教授)、河合良信(九州大学名誉教授)、佐藤浩之助(九大応用力学研究所)、犬竹正明(東北大電気通信研究所)、他。
            
6)会議内容
 第28回電離気体現象国際会議は、2007年7月15日から20日の6日間にわたって、チェコ共和国プラハ郊外のTOP HOTELで開催された。
 本会議は1953年からスタートした電離気体現象の伝統ある国際会議であり、2年毎に開催される。ヨーロッパを中心に開催されてきた。第22回は初めてヨーロッパ以外の米国(Hoboken)で、また第25回は日本(名古屋)で開催された。会議の主題は、放電現象やプラズマ現象の基礎から応用まで、幅広い分野を網羅している。
 特筆すべき事項としては、佐藤徳芳先生佐藤徳芳東北大学名誉教授がフォン・エンゲル賞(von Engel Prize)を受賞されたことである。この賞はプラズマ・放電の研究において多くの先駆的業績をあげたフォン・エンゲル(Hans von Engel)教授(当時オックスフォード大学)を記念して1998年に創設されたものである。隔年に開催されるプラズマ・放電分野で最も古く、大きな会議である本国際会議において、顕著な貢献をした研究者に授与される。ベルギー、ドイツ、イギリス、アメリカに次いで、日本は5番目の受賞である。佐藤名誉教授が、プラズマ物理研究の黎明期に行った“プラズマ中イオン音波の励起と安定性に関する実験的研究”の先見性とその後の発展への寄与が評価された結果である。
 7月19日午前に授賞記念式典、引き続いて”Some Basic Plasma Experiments Extended in Plasma Applications(プラズマ応用において展開された幾つかの基礎的プラズマ実験)“と題した記念講演が行われた。40年以上にわたるプラズマの基礎研究の歩みと近年における応用研究に関するユーモアあふれる講演は大変好評であった。                     
2.会議の模様
 本会議では、招待講演のみ口頭発表であり、一般講演はすべてポスター発表である。招待講演は、von Engel記念講演1件、General Lecture 10件、Topical lecture 26件、二つのWorkshopで各9件である。一般講演は618件で、図図に示すように、日本からの発表が最多であり、順次、ロシア、 チェコ、フランス、ドイツ、ルーマニア、アメリカ、イタリア、ポルトガル、イギリスであった。
 参加者数の多い国は、日本が最多の97名、開催国であるチェコが82名フランス65名、ロシア61名、ドイツ58名であった。日本からの参加者数が多くなった理由として、基礎研究で培ってきた知見を基に、近年、プラズマTV、超微細電子デバイス加工、新材料創製、医工学や環境工学、さらに宇宙プラズマエンジンや核融合に至る広範なプラズマ応用分野における日本の学術的活動が活発になったこと、および科学研究費補助金などの競争的研究資金から成果発表のための旅費が支出できるようになったことが考えられる。プログラムや招待講演などの詳細は本会議のウェブサイトhttp://icpig2007.ipp.cas.cz/で参照できる。
 次回29thICPIG開催予定:2009年7月12-17日にメキシコのカンクン(Cancun)
3.国際純正・応用物理学連合(IUPAP)のC16(プラズマ物理学)委員会報告
 標記委員会が、7月19日12:00-15:00、ICPIG会場ホテルの一室で開催された。出席者はC16メンバー6名、オブザーバ4名の10名。C16メンバーである伊藤早苗教授(学術会議会員)の代理として、C16准メンバーの犬竹(学術会議連携会員)が出席した。
 2008年9月8-12日に、プラズマ理工学国際会議(ICPP2008)が福岡で開催予定であり、その検討は本委員会の重要議題のひとつであった。現地実行委員会を代表して九州大学応用力学研究所の佐藤浩之助教授から当国際会議の準備状況報告およびIUPAP事務局への財政支援申請について資料を用いて説明がなされ、議論の後了承された。
 次回IUPAP C16委員会は、2008年9月8-12日のICPP2008会議期間中に開催予定。


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