日本学術会議が加入している国際学術団体であるインターアカデミーカウンシル(IAC)は、国連のコフィー・アナン事務総長からの諮問に応えて「アフリカの農業が有する未来と可能性の実現-アフリカの農業生産性と食料安全保障を改善するための科学技術戦略-”Realizing the promise and potential of African agriculture : Science and technology strategies for improving agricultural productivity and food security in Africa”」と題する報告書を取りまとめ、本年6月25日、国連本部において同事務総長に提出しました。
この報告書では、アフリカの農業生産の改善のためには科学と技術は何をすべきかについて、多方面からの戦略的提示が試みられています。特に、効果的な農業研究のための研究体制ネットワークの整備、大学や試験研究機関の研究施設の充実、新しい世代の農学研究者の育成、農産物の市場経済政策の整備、新しい科学技術のパイロットプログラムの作成などについて提言しています。本報告書は、アフリカの農業に関して、現時点では最も権威あるものと考えられ、今後、世界中の各方面で重要な役割を果たすものと期待されます。
日本学術会議はIACの理事アカデミーの一つとして、本報告書の作成に積極的に取り組んでおり、石井龍一会員(日本大学生物資源科学部教授)が日本学術会議を代表し参加しました。
日本学術会議は、今後ともIACをはじめ国連機関や国際科学会議(ICSU)などの国際的学術団体と緊密に連携し、国内外の科学者や学術研究団体と協力しながら、地球的規模の諸課題の解決に積極的に貢献してまいります。 |