21世紀における人文・社会科学の役割とその重要性 
−「科学技術」の新しいとらえ方、
  そして日本の新しい社会=文化システムを目指して−
委員会名  第1部,第2部,第3部
報告年月日  平成13年3月26日
議決された会議  第956回運営審議会
整理番号 18期−68

作成の背景

 内閣府に総合科学技術会議が設置されその活動が開始されたのに鑑み、日本学術会議においては、現下の人文・社会科学の課題と役割についての立場を表明するため、第1部・第2部・第3部において審議のための組織を設け、7つの部に属する全会員および常置委員会等に意見・情報の提供を求めつつ作業を行い、とりまとめた文書案につき第1部・第2部・第3部において審議検討した結果を、まず第1部・第2部・第3部共同報告として発表することとした。 

現状及び問題点  

 科学技術の概念が自然科学に偏重して理解され、研究環境の整備もバランスを欠いている現状は、人文・社会科学の創造的発展を阻害しがちである上に、自然科学の発展に対してもマイナスの影響を及ぼす可能性をもっている。人文・社会科学は自然科学と相互に補完的な役割を担っているのみならず、自然科学とは異なる発想と手法によって、科学技術に対して独自の貢献を行う可能性をもっているからである。日本の科学技術のバランスのとれた発展のために、自然科学と人文・社会科学の統合的・融合的な発展を促進する学術研究体制を、早急に整備することが必要である。 

改善策・提言等

@ 科学技術概念を転換する制度改革を行い、人文・社会および自然諸科学分野の統合的・融合的発展について社会一般の理解を促進すべきである。
A 人文・社会科学の振興を、科学技術に関する総合戦略の「かなめ」として認識すべきであり、これは科学技術の全体的発展のために必要である。
B 学術の統合・融合を通じて、科学技術と社会との望ましい関係をきり拓くことができるという文明的展望を、内外に発信すべきである。
C 科学技術基本計画の中に人文・社会科学の役割を積極的に位置づけるべきである。

報告書原文  全文PDFファイル(43k)

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1.知の組み替え2.幼児が鋭利な刃物を持つような状況3.実用の知と精神の知4.社会技術と科学技術
5.エネルギー問題の解決と「社会科学的技術」

関連学協会
人文科学系関連学協会、社会科学系関連学協会


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