遺棄化学兵器の安全な廃棄技術に向けて
委員会名  荒廃した生活環境の先端技術による回復研究連絡委員会
報告年月日  平成13年7月23日
議決された会議  第963回運営審議会
整理番号 18期−62

作成の背景

1997年4月29日に発効した「化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約(通称:化学兵器禁止条約)」に基づき、我が国は中国にある遺棄化学兵器を廃棄する義務を負っている。
遺棄化学兵器の廃棄に当たっては、長期間の埋設による化学弾の腐食・破損、推定70万発といわれる大量の化学弾、爆発感度の高いピクリン酸の炸薬としての使用、化学剤に含有されるヒ素の処理等の課題があり、世界的にも高度な廃棄技術を必要とする。

現状及び問題点  

・  化学兵器禁止条約により廃棄は2007年までの期限とされるため、技術開発の緊急性が高い。
これら化学兵器の高度な廃棄技術を確立する上では、潜在的なポテンシャルを持つ研究者や技術者はいるものの、未だ学術的知見が集積されていない。
世界的にも未経験な部分もあり、廃棄技術を構成する個々の個別技術及びシステム技術に関する研究開発が欠如している。
中国における廃棄設備の立地問題について、相手国及び現地との交渉やリスク管理などの人文・社会科学的な学術基盤が不足している。

改善策・提言等

専門的知見を集積するためには、「関連する学協会における委員会等の設置」を提言する。
また、学術的見地からの技術課題の立案と実行、研究成果の収集と発信などの研究機関相互のコーディネーションを機能とする「中核的研究開発機関の整備」を提案する。

報告書原文  全文PDFファイル(1736k)

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1.化学兵器禁止条約2.貧者の核兵器3.窒息剤、血液剤、びらん剤、神経剤−殺傷を目的
4.嘔吐剤、催涙剤、無能力化剤−戦闘意欲喪失を目的5.化学兵器使用の歴史

関連学協会
日本国際問題研究所、国立環境研究所 地域環境研究グループ、産業技術総合研究所 環境安全管理部


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