精神障害者との共生社会の構築をめざして
委員会名  精神障害者との共生社会特別委員会
報告年月日  平成15年6月24日
議決された会議  第995回運営審議会
整理番号 18期−30

作成の背景

 「精神障害者との共生社会」特別委員会が2002年4月17日開催の第137回総会において設置された。日本学術会議の基本的特徴である「俯瞰的観点からの学術的考察」を基礎とする検討を通して、精神障害者との共生社会を実現するための提言を行うことを任務とする。 

現状及び問題点  

 政府は、平成5年に策定された「障害者対策に関する新長期計画」の下で、「ノーマライゼイション」の理念を掲げて各種の施策を実施して来ている。「ノーマライゼーション」とは、障害のある人も無い人も同じように社会の一員として社会活動に参加し、自立して生活することができる社会を目指すことをいう。
 精神障害者については、「ノーマライゼーション」は必ずしも十分には実現しているとは言えない。身体障害者や知的障害者の場合とは違って、社会はある種の無理解と偏見に基づき差別的な対応を示しているというのが厳然たる事実である。その事実から問題点を抽出し、その解決に向けて努力する必要がある。

改善策・提言等

精神障害者に関する法制度については、特に精神医学の立場や社会福祉学の立場から検討されなければならない。
精神障害者が社会人として自立した存在として職業に従事できる必要があり、労働法学及び社会保障学の専門的観点から考察し、適切な解決策が追求されなければならない。
精神障害者との共生を図るために、精神障害者の治療施設の在り方は工学の専門的な観点から検討されなけばならない。
精神障害者との共生社会を実現するためには、経営学の専門的知見が要求され、精神障害者との共生社会の実現へ向けて先駆的な試みがなされている「べてるの家」、「おにの家」、「東京都多摩総合精神保険福祉センター」及び「市民福祉プランひがしまつやま」の実践を見て、教訓と示唆を得たい。

報告書原文  全文PDFファイル(777k)

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1.ノーマライゼーションとは2.共生とは3.差別意識解消のための教育4.障害者基本法
5.精神医療の歴史
6.触法精神障害者

関連学協会
国立精神・神経センター、日本医師会、日弁連


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