そこで両委員会は、博物館を社会の期待に応える能力のある組織に改革することを目的に、博物館への教育と研究の専門性の付与、すなわち博物館高度化施策を提案する。具体的内容は以下のとおりである。 |
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1) |
学芸員制度の整備:a)学芸員資格の高度化、b)学芸員雇用数の絶対的増加、c)雇用体制の改善が必要である。高度な学芸員資格としてシニアキュレーター制度の創設を図る。 |
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2) |
博物館に対する科学研究費補助金の改革:文部科学省科学研究費(科研費)の博物館学芸員への幅広い申請資格付与を図る。 |
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3) |
博物館職員に対する再教育制度の確立:博物館の学芸員と博物館行政に携わる行政官(経営サイド)を統合する形で、教育・研究内容の高度化と高度化を実現するための施策についての再教育制度の確立を図る。再教育は、大学・大学院と指導的位置にある博物館に横断的な専用カリキュラムを設けることを提案する。 |
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これらの施策は自然史系・生物系博物館における緊急の課題として浮き彫りになっているが、その多くの部分は他の学問領域の博物館においても共通の課題として認められるものと考えられる。これらの施策を通じて、博物館が、見せることを目的とした受動的サービス施設に止まることを避け、新しい市民社会の中心的機構として、教育と研究を積極的に担うことのできる専門性ある組織とすることが、わが国の社会と文化の発展にとって急務となっているといえよう。 |