21世紀半ばを目指す教育体系の再構築
委員会名  教育体系の再構築特別委員会
報告年月日  平成15年7月15日
議決された会議  第996回運営審議会
整理番号 18期−10

作成の背景

 日本学術会議第18期において、「教育体系の再構築」特別委員会が設置され、その活動計画として次の課題が与えられた。「もはや、我が国は教育水準の高い人々によって繁栄した国ではなくなった。最近引き続いて報告されている、学級崩壊、17歳問題、大学の改革など教育の問題は、今や国民の重大な関心事となっている。そこで、自由かつ秩序のある社会を構築し、尊敬に価する国になるために、幼児から大学までの教育を一貫した体系としてとらえ、柔軟な視点と理論的な思考を可能とする教育の在り方について検討する。また、知の創造と伝承、知の社会への適用を本義とする大学の改革は、日本の将来を左右する課題である。その緊急性を考え、大学問題は1年以内に結論をまとめる。」
 そこで、本特別委員会は、この課題を、最近の日本における様々な教育問題に対応して、日本学術会議としての発言をすること、並びに、第17期の教育・環境特別委員会の成果の上に立って、教育面での具体的な提言をすることであると解釈した。

現状及び問題点  

 しかし、すでに、喫緊の多くの教育改革の問題については、中央教育審議会、生涯学習審議会、大学審議会、経済団体、教育関連団体、ジャーナリズムをはじめ日本学術会議からも数多くの報告、提言などがなされている。この中にあって、本委員会は、第1部から第7部、さらに複合領域にいたる各専門領域の学識者の集合である日本学術会議の特色を生かし、運営審議会日本の計画委員会の審議の方向に添って、世界的ならびに将来から現在を俯瞰的に見据えた具体的な提言をまとめるべく、課題に取り組んだ。
 特に大学問題については、1年で結論を出すことを要請されていたので、まず、日本学術会議会員のご意見及び日本の計画委員会の審議、既存の資料等を参照にして審議をとりまとめ、平成14年4月4日に、「21世紀の高等教育が直面する課題ー教育のグローバリゼーションへの対応ー」と題する報告を発表した。また、現実の問題である大学教育の改革については、4月24日にシンポジウム「グローバル化時代に対応する高等教育の課題」を開催して、問題点を明らかにした。内容は、学術の動向2002年12月号に記載してある。

改善策・提言等

 引き続き、与えられた課題に応えるべく、運営審議会日本の計画委員会の審議方向に添って、「21世紀半ばを目指す教育体系の再構築」について検討し、ここに審議のとりまとめを行ったので報告する。第2部と第3部で、21世紀半ばに要請され、期待される人間の資質・能力を分析し、人材育成の目標を明確にした。それらの検討に基づいて、教育体系の再構築の課題を整理し、21世紀半ばを目指す教育体系の再構築方策をまとめた。しかし、現実の教育改革が急速に進展しているので、中には10年程度の未来には実現している事項が多いと思われる情況になっている。したがって、数年ごとに、教育体系の再構築についての審議を改訂する必要がある。

報告書原文  全文PDFファイル(180k)

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1.21世紀の問題解決を実現するための人材とは?
2.国際社会及び日本社会の課題に立ち向える人材を育成する教育とは
3.21世紀に求められる教養4.教養の基本となる能力5.今日の教育が抱える問題点, 
6.社会経済人に期待される資質・能力, 7.技術者に期待される資質・能力, 8.医師に期待される資質・能力,
9.教育者に期待される資質・能力, 10.教育ジャーナリスト・教育支援者に期待される資質・能力

関連学協会など
文部科学省メディア教育開発センター、大学評価・学位授与機構、国立成育医療センター研究所


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