計測工学の体系化について
  ─計測工学の役割と教育・研究の課題及び提言─
委員会名  工学共通基盤研究連絡委員会
  計測工学専門委員会
報告年月日  平成12年7月17日
議決された会議  第940回運営審議会
整理番号 17期−78

作成の背景 

 前第16期「計測工学の体系化」小委員会は、計測方法、計測技術の広がりの現状を俯瞰すると共に今後の発展の可能性を展望して、体系化の必要性を示唆した。
 第17期に設立された本計測工学専門委員会;計測工学の体系化小委員会はそのような問題意識を引継ぎ、さらに前進した議論を積み重ね、計測工学を体系的に理解する上で核となる基礎的概念を明確化し、ここに必要な提言を行う。

現状及び問題点  

 計測工学は理学、工学のみならず、農業、医学、土木など極めて広い分野に渡って深い関わりを持つ種々の計測技術の集積であるが、技術の進歩が速く、様々な技術の集約に依り成立すると共に、広範囲な分野に適用されている通り横断的性格が強い。
 しかし、近年、社会構造、産業構造は大きく変化し、環境、医療、福祉、健康、高齢化問題等、持続可能な社会システム作りに向け新たな課題が現れており、より高度な計測問題に対処する系統立った計測工学の体系が不可欠であって、ITと並んで装いを新たにした体系化された計測工学の体制作りを積極的に推進する必要がある。

改善策・提言等

1. 「特化した計測技術」を他分野へトランスファーをすると共に、種々の分野での計測技術を統合的に理解する体系を確立する必要がある。
2. 環境、社会、人間を計測する技術など、新分野開発を円滑に進め技術競争力を付ける計測技術開発手法整備のための体系化を進める必要がある。
3. 新分野の創成に、体系化した計測技術を習得した研究者がリーダとしての役割を果たせるよう、必要な研究者を教育・養成する必要がある。
4. 工学部に必要な共通基礎科目として「計測、システム、情報」のカリキュラムを整備する必要がある。
5. 体系化された計測工学の教育を行い、高度な計測技術の研究・開発に携わる人材を育てる専門の学科・専攻の設置が必要である。
6. 計測工学を担うべき国立の研究所の強化、または産学官の連携によるシンクタンクの設立が必要である。

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計測工学トランスデューサシステムオンシリコンパターン計測感覚計測,動的計測,
センシング,コンピュータ計測,

関連研究機関・団体・学協会
工業技術院計量研究所,工業技術院電子技術総合研究所




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