新たな我が国の森林情報システムの構築に向けて
委員会名  林学研究連絡委員会
報告年月日  平成12年7月17日
議決された会議  第940回運営審議会
整理番号 17期−76

作成の背景

21世紀における持続的社会の形成には,生物物質の存在およびその持続的な資源利用が不可欠であり,そのためには,自然の状態を常に的確に知る必要がある。このような観点から,我が国の森林情報システムは,極めて重要な役割を果たすものであり,新たな要請に対処すべく発展させてゆく必要がある。そこで,我が国の森林から得られる有用な資源と各種の公益的機能が,将来にわたって確保されるよう,森林を健全な状態に維持するために不可欠な情報を,効率的に収集・利用するためのシステムについて検討した。

現状及び問題点  

原稿の森林情報システムは,森林所有者などの協力を得つつ,都道府県,森林管理局,研究機関などの森林計画に携わってきた多くの先人の努力によって整備されてきた貴重な財産であるが,近年の森林情報観測機器や情報関連技術の発展を受けて,より高度で使いやすいものへと改善すべき点も少なくない。そこで,このように分散している情報を集積整理し,ネットワーク化することに加えて,細分化し専門家している森林科学の諸データを総合化して基盤情報資源として提供可能な,広く国民に開かれた森林情報システムを構築する必要がある。

改善策・提言等

我が国の新たな森林情報システムとして,持続可能な森林管理の重要性に鑑み,森林現況などの変化を確実に把握できる新たな森林情報システムを構築するために,(1)森林生態系モニタリング調査の継続的な実施と調査内容の拡充,(2)高度分解能衛星データの活用による森林GISの早急な整備促進,(3)既存情報および継続的に得られる情報の管理システムの構築,(4)各種森林情報の積極的な公開と信頼性の確保,について早急に取り組むことを提言するものである。

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1.森林情報システム2.現行の森林情報3.地球環境問題と森林,林業,木材産業4.気候変動枠組条約COP6と排出削減目標達成への対応5.フィールドサイエンス


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