工学研究の評価の在り方について
委員会名  工学研究・評価研究連絡委員会
報告年月日  平成11年3月31日
議決された会議  第916回運営審議会
整理番号 17期−6

作成の背景 

 日本学術会議の工学研究・評価研究連絡委員会では、工学研究・評価小委員会を発足させて、工学という学問分野の特徴、工学研究の在り方やその評価の在り方について活発な議論を行うと共に、工学研究・評価研究連絡委員会との合同の会議を経て報告書がまとめられた。

 現状及び問題点

 学術研究全般に対する評価は、文部省学術審議会が以前より研究評価の重要性を指摘し、平成9年12月9日に「学術研究における評価の在り方について」という建議をまとめている。この建議では、近年の学術研究水準の飛躍的向上への期待や、研究費が著しく高額化している背景があり、従来にも増して研究費の有効利用、研究機関の効果的な機能整備、さらに国民に対する説明責任の観点から評価の充実が要請されているとしている。

改善策・提言等

(1) 工学研究の目的と意義
 工学研究は知的価値、社会的価値、そして経済的価値の創造を行うことを目的としている。そのため、研究には産官学民の連携が不可避である。
(2) 工学研究の評価の目的とここで行う評価の対象
 工学研究の評価の目的は、工学研究成果の受益者である社会に先行して評価を行い、社会への説明責任を果たすとともに、創造性に富んだ研究が効率的に行われるようにすることにある。
(3) 工学研究評価の視点
 研究内容に対応して、研究の成果が社会に与える影響や効果を含め、多面的に評価する必要がある。産官学民が連携して行う工学研究では研究が多岐にわたるので、それが適切に行われるよう、また社会的規範を逸脱する危険を避けるようにしなければならない。さらに、評価結果に反論できる評価体制にする必要がある。そして、人材育成も重要な視点である。
(4) 機関評価の視点
 研究機関設立の目的に適合した評価が必要である。研究成果のみならず、管理・運営・支援・責任体制、他機関との協力なども評価の視点とする。

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工学工学研究目的評価、公的資金、 人材育成、評価体制、社会的規範、産・官・学連携、
科学技術基本法、 新技術創出、 研究資源、 萌芽的研究、 学際的研究、 知的財産権、 知的価値、
社会的価値、 経済的価値、 研究成果、評価システム

関連研究機関・学協会
文部省学術審議会




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