メカトロニクス教育と研究への提言
委員会名  自動制御研究連絡委員会
報告年月日  平成9年6月20日
議決された会議  第883回運営審議会
番号 連絡16−50

作成の背景 

 21世紀の科学技術の中心的な流れはC&C(Computer & Communications)が引き継くであろうが、先進国では急速に進む高齢化社会を迎え、科学技術は高齢者ケアと医療および福祉の問題に貢献しなければならなくなる。
 発展途上国は今や急ピッチで産業化を押し進め、エネルギー多消費型の先進国に追いつく過程で環境問題が地球規模的な広がりで進むことが予測されようとしている。21世紀に入って1O年を経ずして、農業問題やエネルギー問題も重要度を増し、そして切実になってくるはずである。
 こうして21世紀では、高齢者ケア、医療と福祉、地球環境に寄与できる科学技術を推進し、省資源と省エネルギー化の実現をはかる技術を育成し、これらを推し進めるための企業化と産業化をはかることが重要になろう。
  そして、メカトロニクスはそのような方向づけを与え、進展させる基本技術であるはずである。すなわち、メカトロニクスはC&Cと実世界(real world)をリンクする科学技術であるからである。

現状及び問題点

 このような状況の中で、メカトロニクス技術を進め、展開し、上述の諸問題に役立てることのできる人材の育成は十分に考えられているだろうか。日本の大学教育ではメカトロニクス関連の教育はどのようになされているのであろうか。
 コンピュータが誕生し、情報科学技術の重要性が叫ばれ、ここ20年の間に沢山の情報工学科あるいはコンピュータ科学技術を指向する学科群が設立された。こうして、新たに「コンピュータ屋」の誕生を見たが、メカトロニクス技術を展開するための人材は育ったのであろうか。「コンピュータ屋」は実世界をほとんど理解できない技術者となっていることが指摘され出している。 工場や病院、自然環境や農場といった実世界からの情報発信を受けることが出来ず、これら実世界との相互作用が取り扱えないのである。
 本報告書は、過去25年、日本の先端産業がメカトロニクス指向で進んできたことを指摘しつつ、21世紀を望見できる現在、その進むべき道を着実に歩むようにするために採るべきメカトロニクス研究の体制と教育体制を調査し、議論し、提言をまとめる。

改善策・提言等

報告書原文   全文PDFファイル(1,627k)

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メカトロニクス、 マサチューセッツ工科大学とメカトロニクス、 メカトロニクスの具体的機能、 メカトロニクス技術の潮流、 メカトロニクス教育の難しさ、 各産業分野のメカトロニクスとキーテクノロジー、 企業側からのメカトロニクス教育に対する要望
関連研究機関・学協会
情報処理学会、電子情報通信学会、日本機械学会




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